粉瘤(ふんりゅう)とは、本来ならば新陳代謝によって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚内部(真皮)や皮下に溜まることによってできる良性の嚢胞性病変の総称です。
なお、国内ではアテローマ(atheroma)、アテロームの呼称も一般的ですが、英語では正式には表皮嚢胞(epidermal cyst)あるいは類表皮嚢胞(epidermoid cyst)と呼ばれます。
皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来皮膚からそげ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、そげ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍です。
たまった角質や皮脂は袋の外には出られず、どんどんたまっていきますので、時間とともに少しずつ大きくなっていきます。
身体のどこにでもできますが、顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。やや盛り上がった数mmから数cmの半球状のしこり(腫瘍)で、しばしば中央に黒点状の開口部があり、強く圧迫すると、においのあるドロドロしたネリ状の物質が出てくることがあります。